タクシー運賃改定にご理解をお願い致します

2020.01.06

平素はタクシーをご利用いただき、厚く御礼申し上げます。

さて、このたび私ども(一社)神奈川県タクシー協会に加入する京浜地区及び相模、鎌倉地区の事業者は、令和2年2月1日より乗務員の労働条件を改善し、安全安心なタクシーサービスを一層充実させることを目的として、運賃料金の改定をお願いすることとなりました。

現在のタクシーの運賃・料金は、平成19年12月以来(平成26年4月は消費税率改定によるもの)、既に約12年間も改定されずに経過しております。

是非ご理解ご協力を賜りたく、お願い申し上げます。

 

【様々な経費増】

運賃改定が無かったこの12年の間にも、法令の改正や社会的要請の高まりな

どにより、経営上の支出は以前より大きく増えています。

例えば、労働力不足解消のための広告宣伝費用、ユニバーサルデザインタクシー等の次世代車両の導入費用、利用者利便の向上を目的としたタクシー配車アプリの導入費用、インバウンド需要対応のための多言語タブレットの導入費用、電子マネーやQRコード決済などのキャッシュレス決済器の導入費用、AIを活用したドライブレコーダーの導入費用、働き方改革に向けた生産性向上のための対策費用など、お客様の利便と安全確保のために日夜努力を続けているところではありますが、長引く景気の低迷により収入が上がらない中、各事業者の負担増は拡大を続けております。

 

【タクシー乗務員の労働条件】

このように、運賃据え置きの中で多額の経費が必要となり、各事業者の合理化・省力化の努力にもかかわらず平成18年以降、ご利用客数の低迷が続くとともに、昨今の労働力不足による稼働率の低下に伴い、運送収入は右肩下がりで推移している状況であります。

また、タクシー乗務員の労働条件については、平成30年賃金構造基本統計調査によると、神奈川のタクシー乗務員の平均年収は約380万円であり、神奈川県全産業労働者の平均年収約550万円の7割程度、額にして170万円のマイナスとなっています。これは平均年齢61.3歳(全産業は43.1歳)の人が、月間30時間も長く労働した上での収入なのです。

タクシー乗務員には、お客様に安全・安心を提供するという使命があります。安全運転に対する技術や能力を持ち、接客においても利用者の様々なレベルの要望に応える必要があります。現在の労働条件では、良質かつ優秀な人材の確保を妨げるとともに、サービスの質や安全への信頼低下につながる可能性があり、どうしても改善していかなければなりません。

 

【結びに】

以上のように、運賃の12年ぶりの改定は私ども業界の強い願いであります。

利用者の皆様方にはご負担をお掛けすることにつながり、誠に心苦しいことでございます。ただ一方で初乗り距離を短縮し、近距離の利用に関しては、ワンコインの500円でご乗車いただける取り組みもあわせて導入しておりますので、特に近距離利用の方々には、ご遠慮なさらずにご乗車いただければ幸いでございます。

 今後とも皆様のご要望を可能な限り取り入れていく所存でありますので、何卒ご理解をいただき、変わらぬご愛顧をどうぞよろしくお願い致します。

 

一般社団法人神奈川県タクシー協会

 

 

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